今、「うつ病」や「自殺」について考えている主婦の方、多いのではないでしょうか。
2020年は例年になく、著名人の自殺が多い年。
特に女性有名人の自殺を聞くと、主婦にとっても他人事とは思えません。
そこで今回は「女性のうつ」を解説。
一概に「自殺=うつ病」とは言えません。
でも今、改めて「女性のメンタルヘルス」について考えてみませんか?
この記事は、こんな人におすすめ!
- もし「自分がうつ病になったら・・・」と不安な人。
- うつ病の予兆・症状を知りたい人。
- うつを悪化させないためには、どうすれば良いかを知りたい人。
- 「うつ病かも」と思ったら、どんな病院に行けば良いのか知りたい人。
「うつ病」や「自殺」は、決して他人事ではありません。
「心の病」は誰にでも起こりますし、その場合「早期の対応」が非常に重要です。
深刻な事態になる前に、「女性のうつ」について一緒に考えていきましょう。
Contents
うつ病は、40代主婦がいちばん危ない!
「うつ病」は、「40代の主婦がいちばん危ない」と言われています。
まず「うつ病」の男女比は、女性が男性の約2倍。
しかも40代が最多。
つまり「40代の主婦は、『うつ病になる危険性が高い』」と言えます。
「えっ? でも40代だからといって主婦とは限らないでしょ? 最近は未婚の人も多いし・・・」
確かに「うつ病は40代女性に多い」=「40代主婦に多い」とは言い切れません。
でも「うつ病」のきっかけを見てみると、主婦業に『うつ』の原因が隠れていることが多いんです。
40代主婦は、なぜ「うつ病リスク」が高いのか。
ではなぜ「40代主婦」は、「うつ病リスク」が高いのでしょうか。
そのためにはまず、「うつ病が起こるメカニズム」から見てみましょう。
うつ病最大の原因は「ストレス」
うつ病最大の原因は、ずばり「ストレス」。
「ストレスだけが原因」というわけではありませんが、うつ病の多くは「ストレス」が原因で発症。
さらに「急激にのしかかった、一時的なストレス」よりも「長期間にわたり、蓄積されたストレス」が危険です。
なぜ「ストレス」が、うつ病の原因になるのか。
それは「ストレスは、脳機能にトラブルを発生させる」から。
うつ病は「脳の病」=「脳の働きに障害が起きて発症する病」。
「うつ病の人の脳」は、感情に関わる神経伝達物質が減り、気持ちのコントロールができなくなっているといわれています。
実は人間の脳は、ストレスを感じると「脳内の血流低下」「神経伝達物質の減少」などが発生。
「ストレスを受ける」→「神経伝達物質の分泌低下・減少」→「うつ病の発症」という図式になっていると、されています。
よって長きにわたりストレスを感じつづけると、それだけ「うつ病の危険が高くなる」と言えるんです。
40代主婦は絶え間なくストレスにさらされている!
さて、もしあなたが「40代の主婦」なら、「自分の現在」を見つめてみてください。
こんな悩みをお持ちではありませんか?
- 育児が大変。
- 子どもの成績・将来が不安。
- 仕事と家事・育児の両立が難しい。
- 夫が家事・育児に協力してくれない。
- 協力してくれても、やってることがトンチンカン。任せたくても任せられない。
- 家計が火の車。子どもの学費・老後が心配。
- ママ友との関係にヘトヘト。
- PTAがつらい。
- 子供のお弁当作りで毎日早起き。ぐっすり眠れない。
- 夫の両親とうまくいかない。
- 親の介護が視野に入ってきた・・・。
いかがでしょうか。
このなかの1つ、2つは思い当たるのでは?
そう、「40代主婦」は常にストレスだらけ。
しかも「一時的」ではなく「常にずーっとストレスにさらされている状態」なので、「うつ病リスク」が高いんです。
ホルモンの乱れも要因に
「40代主婦がうつ病になりやすい原因」は、ストレスだけではありません。
「ホルモンバランスの乱れ」も、大きな原因に。
40代初めなら、妊娠・出産、40代後半なら更年期。
いずれにしても、40代はホルモンバランスが大きく崩れる時期です。
ホルモンバランスが乱れると「脳はホルモンを分泌せよと指令してるのに、体が追い付かない状況」に陥り、脳機能がトラブルを発生。
「うつ病になる危険が高まる」とされています。
40代主婦が、うつ病リスクが高い理由、おわかりいただけたのではないでしょうか。
「女性は男性の2倍」「40代が最多」・・・それだけで「40代主婦は、うつ病リスクが最も高い」とは断定できません。
でも「40代主婦は、うつ病になるリスクにさらされている」「うつ病予備軍である」ということは、心にとめておいた方が良いでしょう。
「女性のうつ」、予兆・症状は?
では実際に「うつ病」になると、どんな予兆・症状がみられるのでしょうか。
早期発見・治療のためにも、シグナルや初期症状を見てみましょう。
- 気分が1日中、ほぼ毎日落ち込む(空虚感、絶望感、憂うつな気分等)。
- 自分が好きなことをしても、以前のような楽しさ・面白さが感じられなくなる。
- テレビや新聞等を見る気が起こらない。
- 極度なマイナス思考に。劣等感や自責の念にさいなまれたり、悲観的になったりする。
- 悲しくないのに涙が出る。
- 仕事・趣味・スポーツ等、あらゆることに対し興味・意欲・行動力がなくなる。
- 動作が遅くなる。
- 思考力・決断力・集中力が落ち、仕事・家事能力が低下する。
- 声が小さくなり、口数が減る。
- 外出や、人に会うのが億劫になる。
- よく眠れない、あるいは寝すぎる。
- 常に焦燥感があり、周囲が見てわかるほど、落ち着きなく体を動かす。
- 疲労感が強い、だるい。
- 飲酒量が増える。
- ダイエットをしているわけではないのに、食欲がわかず体重減少。または過食で体重増加。
- 「自分には価値がない」「自分なんて死んでもよい」と思うようになる。
- 自殺の具体的手段を考えるようになる。
その他、「うつ病の症状」は、体のあちこちにもサインが。
頭痛・耳鳴り・めまい・肩こり・下痢・便秘・大量発汗なども、「うつ病のシグナル」とされています。
多くの人は「私はうつ病なんかじゃない」「うつ病になんてならない」と思いがち。
でも「うつ病になる可能性がゼロの人」など、いません。
今一度、「自分の心と体」に向き直り、「うつ病のシグナルがないかどうか」を見つめてみてはいかがでしょうか。
もし「うつ病かもしれない」と思ったら・・・?
では、もし「うつ病かもしれない」と思ったら、どうすれば良いのでしょうか。
まず「受診する」のがベスト!
「自分はうつ病かもしれない」・・・そう思っても、こんなことを考えていませんか?
- 自力で解決できる。
- 通院や待ち時間で、時間をとられるのがイヤ。
- うつ病の治療を受けていることを、人に知られたくない。
- 治療で効果があるとは思えない。
もしそう思っているなら、今すぐその考えをストップ。
受診を迷っているうちに、症状がどんどん重くなると、取り返しのつかない事態になります。
うつ病は早期の治療がとっても大事。
少しでも早く精神科・心療内科を受診するのが、非常に重要です。
ここでは「うつで病院を受診するポイント」を解説。
「自分は『うつ』かもしれない・・・」と思い当たったら、ぜひ解説を参考にして、相談・受診してみましょう。
「『うつ』かもしれない」と思ったら、どんな病院を選べばいい?
「私、うつかもしれない・・・」と思ったら、とにかく早く病院に行くのがベスト。
でもどんな病院に行けばよいか、すぐにはわかりませんよね。
そこで「『うつ』かもしれない」と思った時、どんな病院に行けばよいのか、解説しますね。
うつ病の疑いがあれば「精神科・精神神経科」へ
「うつ病の相談って、何科に行けばいいの? 精神科? 心療内科? 神経内科とか色々あるけど・・・」
いざ病院に行こうと思っても、「うつ病」って、どんな病院に行けばよいのか悩みますよね。
うつの疑いがあるようなら、基本的には精神科・精神神経科を受診。
特に「不安」「抑うつ」「イライラ」「眠れない」「妄想」など「心の不調」を感じる場合は、精神科・精神神経科と書かれている病院がおすすめです。
また「心療内科」でも相談は可能。
心療内科は「心理的要因で、体に不調が現れている場合」に受診するのがおすすめ。
たとえば動悸・腹痛など「体の不調」があるのに、内科で検査をしても異常無し。
「不調が始まった頃」を思い返してみると、「強いストレス」を感じた出来事が思い当たる・・・。
そのような場合には、心療内科がおすすめです。
なお「神経内科」は、神経痛やパーキンソン病などが専門。
「心の病」を主な対象とはしていません。
「強い不安・抑うつ・不眠・イライラ」など心に変調をきたしており、「うつ病かも・・・」と思うなら、基本的には「精神科・精神神経科」を受診すると良いでしょう。
病院選びのポイントは?
では精神科・心療内科・メンタルクリニックを受診する際、どんな病院を選べば良いのでしょうか。
「病院選びのポイント」を解説しますね。
「通いやすい」こと
「うつ」の相談・受診をするなら、まず「自宅から近い・通いやすい」のが重要。
うつの相談・治療は長期にわたるため、通いにくい病院だと挫折してしまいます。
アクセス・診療日・診療時間を見て、「自宅から通えるか」「仕事をしながらでも通えるか」をチェック。
「予約制で待ち時間が少ない」「自分の休日に診察している」といった病院なら、通いやすくて良いでしょう。
医師が「精神科治療専門医」であること
通いやすそうな病院を見つけたら、医師の経歴などをチェック。
「精神科治療を専門にしているか」「うつ病の相談ができそうか」などを、よく見てみましょう。
「医師が信頼できるかどうか」も、非常に重要!
どんな病気でもそうですが、「うつ病」の相談・受診・治療も「信頼できる医師を選ぶ」ことが非常に大切です。
第一チェックポイントとして挙げられるのが、「あなたの話をよく聞いてくれるかどうか」。
さらに今後の治療方針や、薬の効果・副作用等々、「患者が不安・疑問に思うこと」について丁寧に説明してくれることも重要です。
「患者の顔を見ない」「あまり話を聞かず、すぐ『うつ病』と決めつける」「自分の不安・疑問にじっくり答えてくれない」・・・そのような医師は避けたほうが無難。
ただ「医師との相性」もあるので、一度で「このお医者さんはOK(NG)」と決めつけず、何度か通ってから判断しても良いでしょう。
保健所・精神保健福祉センターに紹介してもらってもOK。
「どんな病院を選べばよいかわからない」「調べる時間も気力もない」という場合は、保健所・精神保健福祉センターに紹介してもらうのもおすすめ。
あなたの自宅から通いやすく、信用のある病院を紹介してもらえます。
病院探しが大変なら、ぜひ保健所・精神保健福祉センターなどに相談してみましょう。
参考
厚生労働省HP「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」
病院を受診する際の注意点は?
病院を受診する際には、次の3つを心がけるとベター。
診察がスムーズに進みますよ。
ノーメイクか薄化粧で
病院を受診する際には、ノーメイクか薄化粧がおすすめ。
医師は顔色からも病状を判断するので、「素の顔色」がわかる状態で受診しましょう。
髪はナチュラルに
病院で脳波をとる場合もあるので、髪はナチュラルに。
「ヘアスプレーでガチガチに固める」「ヘアアクセサリーをつける」等は、避けたほうが無難です。
上半身の着脱をしやすい服装で
病院を受診する際には、上半身の着脱をしやすい服装がベター。
「上下分かれた服」で「前開きのもの」がおすすめです。
「私、うつかも・・・」と思った時、病院に行くことができれば、大きな前進。
今、心の病の治療方法は日進月歩。
投薬治療で、高い効果が望める時代となっています。
「うつ病」の症状に、少しでも当てはまると思ったら、早めの受診を!
「まさか自分が」「病院に行くほどではない」「精神科に行くなんて恥ずかしい」などと思わず、必ず専門医に相談してみましょう。
「心の病」の治療を受けることは、全く恥ずかしいことではありません。
自分の人生の舵取りをする、「勇気ある誇るべき行動」なのです。